目次
ヤード業者とは?囲いや塀で覆われた事業所の実態を解説
ヤード業とは、一般的に使用済み自動車や中古車、中古部品などを扱う解体・保管・輸出を主な事業とする業者を指します。その事業所は「ヤード」と呼ばれ、周囲を鉄板などの高い囲いや塀で覆われていることが特徴です。警察白書では、ヤードは「海外への輸出などを目的として、自動車などの解体、コンテナ詰めなどの作業に使用していると認められる施設」と定義されています。ヤード業者の中には、自動車解体業、中古車輸出業、中古部品販売業などが含まれており、これらの事業を営むには、広大な敷地と適切な設備が必要とされます。
一方で、一部のヤードでは盗難車の解体や不正輸出、不法投棄といった違法行為が行われているケースもあり、社会問題として取り沙汰されることも少なくありません。こうした背景から、ヤード業全体に対して「怪しい」というイメージを持つ人もいますが、すべてのヤード業者が違法な営業をしているわけではなく、許可を得て適正に事業を行っている業者がほとんどです。適法なヤード業者は、自動車リサイクル法に基づき、使用済み自動車の適正処理やフロンガス、廃油などの回収を義務付けられています。また、中古部品は国内外で需要が高く、特に日本車の部品は海外で人気があるため、ヤード業は資源の有効活用と循環型社会の実現に貢献する重要な役割を担っています。
ヤード業者とスクラップ業者の明確な違い
ヤード業とスクラップ業は、どちらもリサイクルに関連する事業ですが、取り扱う品目と事業内容に明確な違いがあります。ヤード業は主に、使用済み自動車や中古車、その部品の解体、保管、輸出を事業の中心としています。一方、スクラップ業は鉄くずや非鉄金属といった金属全般の回収、選別、加工、販売を行う点が大きな違いです。ヤード業は自動車リサイクル法に基づく自動車解体業の許可が、スクラップ業は古物商や金属くず商の許可が必要となります。ヤード業と同様にスクラップ業にもは不適正な業者の存在が問題視されることもありますが、適正な業者が多数であり、それぞれの業種が資源の有効活用に貢献しているともいえます。
ヤード業者を規制する法律や条例
自動車の解体・リサイクルに関する法律
自動車の解体・リサイクルに関しては、自動車リサイクル法が中心となります。この法律は、使用済み自動車の適正な処理とリサイクルを促進することを目的としており、ヤード業者が自動車を解体する際には、都道府県知事から「自動車解体業」の許可を受ける必要があります。許可を得た業者は、使用済み自動車からフロン類、エアバッグ類、シュレッダーダストなどを適切に処理することが義務付けられています。さらに、許可を受けた事業者は、これらの処理状況を適切に管理し、記録することも求められます。
中古品の売買に関わる古物営業法
ヤード業者が中古品を取り扱う際には、古物営業法に基づく許可が必要不可欠です。古物営業法は、盗品などの流通を防止し、公正な取引を確保することを目的とした法律で、中古品を売買する事業者はこの法律に従う必要があります。具体的には、都道府県の公安委員会から古物商許可を取得しなければなりません。この許可なく中古品の売買を行うと、法律違反となります。ヤード業者も中古車や中古部品の売買を行うため、この古物営業法の規制対象となるのです。
廃棄物の取り扱いを定める廃棄物処理法
廃棄物の取り扱いについては、廃棄物処理法が重要な役割を果たしています。この法律は、廃棄物の排出を抑制し、適正な処理を行うことで、生活環境の保全と公衆衛生の向上を図ることを目的としています。ヤード業者も事業活動に伴い廃棄物を排出するため、この廃棄物処理法に基づいて、その種類に応じた適切な処理が義務付けられています。具体的には、廃油や廃プラスチック類など産業廃棄物にあたるものは、専門の業者に委託するなどの対応が必要です。
ヤード業者に関するよくある質問
近所にあるヤードが怪しい場合、どこに相談すればいいですか?
近所のヤードに対して何らかの懸念がある場合、状況によって相談先が異なります。もし騒音や悪臭、油の流出、廃棄物の不法投棄といった環境問題が疑われる場合は、お住まいの地域の自治体(市役所や県庁の環境担当部署)に相談してください。自治体は、廃棄物処理法や各自治体の条例に基づき、ヤードへの指導や立ち入り検査を行う権限を持っています。また、盗難車の解体や不正な取引など、犯罪行為や違法行為が疑われる場合は、速やかに警察に相談することが最も重要です。匿名で情報提供できる窓口も存在するため、直接的な関わりを避けたい場合でも情報提供は可能です。ヤード周辺での不審な車両の出入りや、夜間の作業音など、具体的な情報があれば警察も動きやすくなります。いずれの場合も、状況を詳細に伝えることで、適切な対応につながりやすくなります。
すべてのヤード業者は違法な営業をしているのですか?
いいえ、すべてのヤード業者が違法な営業をしているわけではありません。ヤード業者の中には、自動車リサイクル法や古物営業法、廃棄物処理法などの関連法規に基づき、適正な許認可を取得して合法的に事業を営んでいるところが多数存在します。これらの正規のヤード業者は、使用済み自動車の適正な解体、有用な部品の再利用、金属スクラップの回収などを通じて、循環型社会の形成に貢献しています。しかし、残念ながら一部には、盗難車の解体や不正な中古部品の売買、不法投棄といった違法行為を行う「不法ヤード」と呼ばれる業者も存在し、これらが社会問題となるケースもあります。こうした違法な行為が報道されることで、ヤード業者全体に対して「怪しい」「違法」といったネガティブなイメージが持たれがちですが、それは一部の例外的な業者によるものです。したがって、ヤード業者のすべてが違法であるという認識は誤りであり、多くのヤード業者は法律を遵守し、社会に貢献する事業を行っているのです。
ヤードで解体された自動車部品はどうなるのですか?
ヤード業者が解体した自動車部品の多くは、再利用やリサイクルのために国内外で流通します。まず、使用可能な部品は「中古部品」として市場に供給されます。特にエンジンやトランスミッション、ドア、バンパーといった主要部品は、修理用や交換用として需要が高く、国内の中古部品販売業者や海外の輸入業者に輸出されることが多いです。日本の自動車部品は品質が高く信頼されているため、海外、特にアジア諸国などで人気があります。
次に、再利用が難しい金属部品や素材は、鉄やアルミニウムなどの「金属スクラップ」としてリサイクルされます。これは、製鉄所や非鉄金属精錬所などで新たな製品の原料として活用されるため、資源の有効活用に大きく貢献しています。
また、プラスチック類やゴム、ガラスなども、種類や状態によってはリサイクルされることがあります。例えば、特定のプラスチック部品はプラスチック原料として再加工され、新しい製品の製造に利用されます。このように、ヤード業者は自動車を単に廃棄するのではなく、可能な限り部品や素材を再利用・リサイクルすることで、環境負荷の低減と資源循環型社会の実現に重要な役割を担っています。
まとめ
ヤード業とは、使用済み自動車の解体や中古車・中古部品の保管・輸出を行う重要な業者です。正しく営業を行っている業者がいる反面、一部では盗難車の解体や不法投棄といった違法行為を行う不法ヤードも存在し、社会問題となることがあります。利用者はこれらの業者を見分ける必要があ
行政書士法人GOALは無料相談を受け付けています。
無料相談はこちらから!